食遊記2007中東編


ディヤルバクル

 この町は誰からも話を聞かなかったので、行く前日まで知りませんでした。ルートを見ると丁度通るのでちょっと寄ってみようかなという軽い気持ちで行きました。たぶんイスタンブールで先に知人に話していたら、あんな危ない街行くなと反対されていたでしょう。実際イラクに一番近いクルド人大都市で、この近くで政府軍とテログループとの小競り合いが長く続いてきたそうです。人々はのんびり暮らしており、他の途上国に比べると治安もそれほど悪くはないですが。

 ここには全長5.5kmの城壁で囲まれた街です。万里の頂上についで世界2番目とか。10m上の崩れかけた城壁の上を歩くちょっと怖い散歩ができます。街の中ではクルドの人々が生活をしています。バザールやら鍛冶屋やらモスクやら教会やらがあり、迷路のような町並みになっています。ただ、あちらこちらごみが落ちていて汚いのが残念です。あちこちに近代的なショッピングセンターが無造作に立てられています。子供が昼間からマリファナを吸っていたり、スリも増え治安も少し悪くなっているとか。対象的に私の好きな場所で中国に平遥という世界遺産があるのですが、人々は清代からの町並みと生活を守っています。自分たちの街は自分たちで意識して守らなければならないことを感じました。

キリスト教会跡、崩れ落ちた空き地は子供の遊び場所。今でもこの街には教会が多い。 裏道のクルドの人懐っこい子供達。観光地に行くと、観光客と見ると”マネー”と物乞いをしてくる子供がいるのが残念。
観光客はまずこない庶民の市場、鍛冶屋や道具屋など庶民の生活が見られる。ちょっと治安が悪いので観光客にはあまり薦められない。 肉料理には欠かせないピクルス。豪快に丸ごと漬ける。出すときも丸ごとをかじる。かなり酢が強い。
市場のチーズ売り場。大きさも味も形も様々。市場に入るとチーズの独特の発酵臭がしてくる。  大きな桶に入れて塊で売っている。さすが牧畜の民である。毎日食べるのであろう。日本人にとって豆腐のような感覚。
半分崩れた城壁の上を南側から登って歩くことができます。落ちたら死にます。外壁の草原の広がりと、内壁の庶民の生活が対照的。散乱したゴミや貧しさも見えてしまう。 街のシンボル街の中心にあるウルジャーミーには細かい装飾が施されている。かつてはキリスト教の教会であった。アナトリア最古の寺院らしく年代を感じさせる。
城壁の上から見たモスクと夕日。街は迷路のように入り組んでいるので日が沈んだ後迷うのは危険。はやくホテルに帰ろう。 完成して新しいバスターミナル。綺麗さといいサービスといい、バスも綺麗で広くゆったりして乗り心地も良い。まるで飛行機並。トルコから日本に帰って利用した夜行バスの待合室やバスは汚いし、値段も5倍するしショックをうけた。