食遊記2007中東編


ウールミーエ・国境の入り口民族のるつぼ


 イランに入ったので公用語はペルシア語です。でもこの街はトルコに近いとあって、トルコ語やクルド語を使う人も多いです。ここも辺境の地だけあって英語が殆ど通じなくて苦労しました。やっとホテルに英語を話す人がいて上に書いたイランの通貨のことや交通のことを教えてもらい助かりました。まあこの国も言葉が通じなくても回りの人が必ず助けてくれるので旅に問題はありませんが。
 教会を訪ねました、神父さんが片言の英語で地下の礼拝所を案内してくれました。この街にはイラン最大のキリスト教徒のコミュニティがあります。イスラムの国でひっそりと暮らしているようです。オスマン朝末期の20世紀初頭ここウルミエではムスリムによるキリスト教徒の大虐殺が行われたようです。聖堂のマリア像の表情が少し物悲しげに見えました。


近代的なモール街を通り抜け、裏路地に入るとそこ聖マリア教会があった。1800年に作られたアッシリア教会 白い教会の中のあなぐらのような礼拝堂、体をかがめて入らなくてはならない。
教会の前にて ウルミエの市場。トルコやクルドの品々も並ぶ
市場でレモンとレモンジュースを売っていたお兄さん。写真を撮ったら大きなレモンをくれた。 干したナツメ。ラマザン(断食)が終わったときにこれをゆっくり食べることによって胃をならしていく。ムスリムには欠かせない味。
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バザールの中のモスク。田舎の畑から直接車で運び、荷台から野菜を売っている ここでも若者はコーラがすき。これはイランコーラ。味も見た目もコカコーラと同じ。もちろんアメリカから許可をとらずに作っている。
ケバブを注文するとついてくる生野菜。ししとうやピーマンは食べれるが、さすがに生タマネギだけは食べられなかった。ペットボトルに入っているのはヨーグルト飲料。発酵中で泡がさかんに出る。常温で輸送するときに破裂しないのか心配。 フィーレ・ケバーブ;牛肉のケバブ。ナンに包んで食べる。3枚もついてきたので食べきれない。ナンは厚めに焼いたバルバリーや写真のように薄く焼いたサンギャクがある。
様々なソーセージやパテが並ぶ。もちょろん豚肉はいっさいない。見た目から着色料や添加物が多そうで食べなかった。 市場の金物売り場のおじさん。写真をとってくれと言われた。ポーズが独特、イラン式?


ちょっと違って不思議なイランのシステム

 何よりも違うのが、トルコから入ると文字がアルファベットからアラビア文字に変わったことです。ミミズが沢山並んでいるような文字、全く読めない。看板や料理のメニューが読めずに困りました。数字だけは簡単なので何とか覚えました。おかげでバスのナンバーやチケットや市場の値札が読めるようになったのでぼられずに済むようになりよかったのですが。だいたい初めての国に来たときに観光客が騙されるのが両替所や初めて乗るタクシーです。イランはいい人が多くてよかった。
ちなみにアラビア文字ですが、各国のイスラムの人達はコーランを読むので多くの人がアラビア文字を学校で学ぶのでほぼ読めるようです。便利ですね。

 イランに入ってもうひとつ旅行者を混乱させるのが、インフラで下落した紙幣。1ドル=10、000イランリアル。つまり100ドル両替したら1000,000リアル。財布に入りきれない札束が来ます。財布に100万円入れると思ってください(日本でやったことないですが)。

あと不思議なのがもう一つトマムというお金の単位です。値段の表記はトマムでします。でも払うのは10倍のリアルです。わけわかりませんね。たとえばジュース200Tと書いてあれば2000リアル(25円)払います。書いてあるならまだ良くても口で言われるとトマムかリアルか確認する必要があります。イランでは観光地以外法外な値段を言ったり、だましたりはあまりないので安心ですが。

 便利なのはタクシーです。市民の足になっています。乗り合いタクシーで一回10円。チャーターして市内なら100円程度、空港まで行っても300円。一日10回くらいはタクシーに乗りました。日本では高いので年に数回くらいしか乗りません。人生で一番タクシーに多く乗ったのがイランでした。

ちなみに夜行バス一晩乗って200〜300円(エアコン付き快適、軽食、映画付き)。あと飛行機も短い路線で2500円くらい、機内食付き。時間も正確。さすがに石油が出る国は強い。日本の交通費の高さを思い出しました。石油も資源も無いですししょうがないですね。

日本に来たあるイラン人がこう言っていたそうです。「なぜ日本は石油が出ないのにあんなにガソリンスタンドが沢山あるのか、イランは石油が出るのにスタンドが少なく、いつも車が列をなしている」