オーストリアと言うと、あまりはっきりとイメージできる人は少ないのではないか。ときには「ああカンガルーのいる国ですね」と言う答えすら帰ってくることもある。しかしウィーンと言うと、古いバロックの町並みと王宮、音楽の都としてイメージできる人は多い。ウィーンはそれほどのインパクトがある。実際音楽があちこちから流れてきて、豪華な国立オペラ劇場や楽友会のコンサートホールではほぼ、毎晩オペラやクラシックコンサートが行われる。ウィーンフィルハーモニー楽団による演奏ですら立見席で300円で見ることができる。まさに庶民まで音楽が浸透しているようだ。
左、国立オペラハウス。市内の中心にあり、まさにウィーンの文化の中心として君臨している。チケットの料金は様々、300円ほどの最後列の立見席を見たい貧乏音楽留学生などは会場の2,3時間前から並ぶ。関心である。 右、ウィーナー・シュニツッエル。日本語で言うと豚肉のカツレツである。注文を受けてからこれでもかと言うほど肉を叩いて筋をきり伸ばし、衣を着けて揚げる。大切なのは衣のフワフワ、カリカリと肉の柔らかさである。オリーブとビネガーに漬けたサラダと共に出される。 シュニツッエルはオーストリア人サイズで少し日本人には大きすぎる気がする。 |
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元祖ホテル・ザッハのザッハトルテ。以前は持ち帰りは無かったが、今は各種の箱詰めができて、いつも観光客で賑わっている。 濃厚なチョコレート、甘みも日本人の口に合うくらいの控えめ。 ウィーンではカフェでコーヒーとケーキは欠かせない。ウィーンのカフェは昔から庶民の憩いの場、作詞家、作曲家の仕事の場、政治家の論争の場、他、ウィーンの人々に無くてはならないものであった。今でも無数のカフェが並ぶ。夜になってもバーと同じく人であふれている。お気に入りのバーを見つけたらウィーンの滞在もより楽しくなるであろう。 |
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日本ではウィーンナー・コーヒーと呼ばれるが、本当は”メランジェ”。コーヒーの上にクリームの泡がのったもの。ウィーンでは最もポピュラーなコーヒー。ステンレスのトレイに水と一緒に出すのが伝統的。 ザッハトルテとウィーンの名物のお菓子はアップルシュテューデル。サクサクの生地が美味しさのポイント。 |
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オペラ座を下ったところにあるオープンマーケット。ウィーンの台所である。片方の通りは食品市場、もう片方はレストラン通りになっている。オーストリア料理から中華、タイ、寿司バー、他各地の料理が休めの値段で食べられる。 左は、ピクルス屋。ビンに詰めたピーマンやキュウリのピクルスから、大きな樽に漬けたサワークラフトを量り売りで買うこともできる。ドイツでも瓶詰めの加工品が一般的になり、このように家庭で木の樽で漬ける事が少なくなってきたらしい。 右、葡萄の搾り汁”MIST”。自分の家の葡萄畑より絞ってきたばかりという感じの葡萄ジュース。収穫の10月でしか味わうことができない。ウィーンには小規模ながらワインヤードがある。くわしくは下へ続く |
グリンツィング、ブドウ畑とホイリゲ居酒屋
市内の北西にあるワイナリー。南米チリの首都サンティアゴデチリと同じく、首都の市内にワイナリーのある国は珍しい。U6地下鉄の最終駅からバスで丘の上に上る。そこには紅葉したワインヤードが広がっていた。収穫された直後の畑からは、落ちて発酵した葡萄のなんともいえない香りが漂ってくる。 右写真、丁度摘み取りを終えて工場に運ばれていく葡萄。家族経営の小規模なものが多いと思われる。葡萄狩りというと聞こえはいいが、ワイン用葡萄は一つの畑を一度に摘み取らなければならないので、手積みをしようとすると大勢の労働力が必要となる。重労働である。近年は殆ど収穫機を使い一気に収穫する。 |
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半年から一年の新酒”ホイリゲ”を飲ませる居酒屋がワインヤードの中に並ぶ。殆どの居酒屋が自分のワイン畑を持って、自家製のワインを作っている。オーストリアにはワインが発酵途中で止めて出す”シュトルーム”というワインもある。まだ糖度が半分ほど残り甘く、発砲している。漉していないため、オリが白濁している。日本語で言うとどぶろくとでも言おうか。洗練されていない素朴な味がして隙である。 左はある老舗のホイリゲ屋、中庭に葡萄の苗があり、葡萄がなっていた。ワインのつまみは肉の盛り合わせ、ベーコン、ハム、ソーセージ、サワークラフト。一人前を注文したが、日本人の口には二人分の量であった。 |