日本人にはヨーグルトしか知られていない国だが、第2次世界大戦時日独伊に参加してアメリカに宣戦布告したこと、社会主義時代にも日本との係わりがあり親日的な人も多い。社会主義の時代は集団農業でおおくの生産量を誇った大農業国であったが、社会主義崩壊後、農業形態も崩壊し、食料不足が続く。多くを輸入に頼っているという現状が見られる。現在、2007年EU加盟に向けて人々は希望をつなごうとしているが、他EU国家との経済ギャップが大きすぎるため、しばらくは混乱が続くであろう。観光客から一見すると、気候も良く、人々も親切で豊かな国のように見えるが、田舎での貧困は深刻である。しかし政府は強いプライドと建前とがあり、海外に援助を求めない、あくまで豊かな国と言い張る。これは多くの旧社会主義国に共通の問題であるが。
豊かとは言えない国だが、まだ開発されていない地域も多く、民族衣装や音楽などの伝統文化も豊富な国であり興味深い。
料理にしても、ケバブなどトルコに似た料理や葡萄の葉で米を包んだ料理などギリシアの影響、コーカサスに近い東北部高山地帯ヨーグルトを使ったスープなど、多くの食文化の融合が見られる。
ソフィアのまさに中心にある、綺麗な建物の中にある市場。地下にはローマ時代の遺跡の後があったりする不思議な市場。衛生的にも、治安的にも安心して買いたいならここが一番、英語も少しは通じる。モダンすぎて少し面白みにはかけるが。ワインが一本100円など、西欧に比べ全てがとにかく安い。 | ||
Stanbolvストリートのオープンマーケット。毎日、朝から夕方まで開いている。ちなみに英語は通じない。 左、パンのスタンド、このように小さな木のブース人が入ってパンを打っているのを道端で時々見かける。それだけ大切な主食であり、人々が常時新鮮なパンを求めるということだろうか。 右、ヨーグルト売り場。伝統的な食べ物なのでこういう旧市場に来ると桶から直接出して売っていたりするのかと思ったのだが。それは田舎だけで、今や町では工場で作られた殺菌パックヨーグルトを食べている。(下部*1参照) |
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トラムno.2と12に乗っていると見えるSlaveikov広場の前の教会。周りには市場が並んでいる。トラムから市場と教会が見れる風景は珍しい。 その教会の裏のレストランLUCANOは安くで、伝統的なブルガリア料理が食べられる店。ビールと2皿くらいで600円くらいでOK。現地在住の外国人、協力隊員にも人気があるとか。右はその店の”TARATOR”冷たいヨーグルトスープ。程よい酸味と塩見でさっぱりして食欲を増進させる。スペイン・アンダルシアのガスパッチョと共に世界3大冷製スープのノミネートしたい。作り方もいたって簡単。蒸し暑い日本の夏の一品にどうぞ。(下のレシピ参照) |
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左、羊のスパイス串焼きShiShi、たぶんトルコのシーク・ケバブから語源がきたのであろう。パプリカ粉などを好みでかける。その横ブドウの葉で米とオリーブペーストを包みこんだ”SARMI”。ヨーグルトをつけて食べるのがブルガリア風。ブドウの葉を食べるのは不思議に思われるかもしれないが、どこでもブドウの収穫できる地中海らしい料理。米の粘り気などと葉の噛み応え、日本の桜餅を思い出した。ちなみにこれと同じ料理はギリシアにもある。 右、豚肉とスパイスやパプリカを練り、ハンバーグ状にして焼いたもの、”キュフテ”、それを引き伸ばして棒状にしたものは”ケバブチェ”味は同じ。これもトルコ・アラブからの料理である。そもそもパプリカ自体がアラブから入ってきたものだといわれている。今やハンガリーやオーストラリアにまでたどり着き欠かせない料理となっている。遙か起源を辿ればアンデス山脈の”チレ”にたどり着く。 |
小話、 ブルガリアではイエスは首を横に振り、ノーは首を縦に振る、これに我々外国人は混乱させられる。綺麗なウェイターに「勘定お願い」と頼んだら、何も言わずにゆっくり首を横に振られた、私には「やれやれ」と言っているように見えて、英語の発音が可笑しかったのか、言い方が失礼だったのかのかしばし悩んだ。列車に乗って「ここは何処何処駅か?」と聞いて、首を縦に振られ、降りそうになったこともある。 ブルガリアの酒について。ワインやブランディーの産出国には珍しく、飲酒運転への罰則が厳しい、一回目で刑務所行き、数回繰り返すと銃殺刑になる。外国人でも例外で無い。たぶんそれほど厳しくない時代に多大な飲酒運転交通事故が起きていたのだろう。ちなみにフランスやイタリアなどの国は、バーに車で行って飲んで帰る。オーストラリアでもトラック運転手はビール片手に運転していた。アラブの国では酒とタバコをするくらいならマリファナを吸いなさいという教育をしている国もある。イタリアなどのラテンの国はタバコや葉巻はカ紳士のたしなみという観念があり、カフェでは禁煙席がだいたいある。高級レストランには葉巻とシガールームが常設されていたりする。アメリカのようにどこでも目くじらを立てて禁煙にしたりしない。 各国によって嗜好品の習慣、タブーがある。日本人も海外に行ったら注意が必要。郷に入れば郷に従わなくてはならない。 |
首都ソフィアから東へ高速バスで2時間、列車で2時間半の場所にあるブルガリア第二の都市。旧市街の丘の上には石畳と古い建物が少し残る。あとは垢抜けた近代都市とアーケード街。
プラブディブに行く途中の車両で相席になったじいちゃん。タバコを美味しそうに吸っている。今やヨーロッパでは列車の中での禁煙はあたりまえになったけが、ルーマニアやブルガリアでは車体自体に灰皿が付いている。ルーマニア人もブルガリア人も女性でもタバコをよく吸う。西欧とは違う。違うタブーはある。(上部小話参照) 右、”KAVARMA”は玉ねぎやズッキーニ、ネギ、他、野菜と肉のトマト煮。とてもブルガリアの庶民的な料理。これと同じような味のソースを肉にかける、”猟師風ステーキ料理”もある。思うに、田舎や狩の時で、余った野菜をごった煮にした料理ではないか。 |
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左写真、プラブディブの中心にある。モスク。入り口が写真の中心にある。信者以外は立ち入り禁止。面白いのはモスクの半分がレストランになっていることである。2Fは料理店、1Fはトルコ・コーヒーやトルコの超甘いデザートが食べられる。一つ小さなクルミのパイを注文したが、砂糖を練りこんだパイ生地がかちかちに凝縮してありそれに蜂蜜がしみこませてあった。半分ちょっとでギブアップ。甘い菓子を好むのは断食ラダマン明けのエネルギー補給のためという説があるが。 右写真:旧市街地にある、プラブディブ民族博物館、展示自体はそれほど多くないが、建物自体がユニークで、興味深い展示が多い。次のコマへ |
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左、農村での伝統的な乳加工の道具。一番奥にあるのは、小型の乳のたんぱく質を分離させる機会、これでチーズやバターを作る。モンゴルやロシアの博物館でも同じものを見つけた。広くヨーロッパから中欧アジアに広がっている方法。 右、食品ではないが、ブルガリアの名産の一つバラの香水を作る蒸留装置。アルコール分離によりエステルを抽出する。理科の実験で使ったリービッヒ試験管を用いた分離と原理は同じである。酒の蒸留もほぼ同じ原理。かつて社会主義時代は世界を誇る生産量をほこっていたらしい。 |
(下部)日本でのブルガリア・ヨーグルトについて。
聞いた話であるが、大阪の万博の時に、ブルガリア国からヨーグルトの展示ブースがあり、そこに訪れた天皇陛下が試食されたこともあり、明治乳業がブルガリアにライセンス料とブルガリアのヨーグルト菌Saccaromices burgalicas.を払いに日本で生産、販売を始めたらしい。当時、乳製品に馴染みのない日本より、社会主義体制のブルガリアの方が乳加工の技術が上であったらしい。現在は生産量も質も完全に逆転してしまったが、、。
食文化
肉は豚肉と羊肉が中心で、ヨーグルトやチーズなどの乳製品がよく食卓にのぼる。代表的な料理には、ひき肉、ジャガイモ、タマネギ、ヨーグルトをつかったムサカmoussakaや、豚肉のソーセージの一種ナデニツァnadenitsaなどがある。ブルガリア風のミニハンバーグ「キュフテ」Kufteや、豚肉や米をブドウの葉やキャベツにつつんだセルミSarmiもある。羊肉を串焼きにしたシシュチェタshishchetaなど、肉のグリル料理スカーラskaraもレストランで人気のある料理。ショプスカShopskaはキュウリ、トマトにブルガリアの白チーズcereneをかけたサラダ。タラトルtaratorはブルガリアを代表する冷たいスープで、キュウリ、ヨーグルト、ニンニク、ディル、クルミ、オイルなどでつくる。チーズ入りのペストリー「バニツァ」banitsaはおやつや朝食向き。デザートとしては、カボチャのバニッツァやケーキ、あまい蜜(みつ)のかかったクルミ入りのパイ「バクワバ」baklavaがある。コーヒーは濃いめで甘味のついたエスプレッソやトルココーヒーをこのむ人が多い。料理とともにソフトドリンクやアルコール、コーヒーをのむ。
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レシピ紹介
ブルガリアらしい料理でよく食されている。スペインのガスパッチョのように前菜の冷製スープとして出す。日本では脂肪分の高いヨーグルトを使うと美味しいと思われる。決して加糖してあるヨーグルトを使ってはいけない。
キュウリ 2個
ヨーグルト 1L
ニンニク 1,2個
オリーブ油 適量
クルミ 適量
塩 適量
ディル 1束
水 1カップ
作り方
1、キュウリを細く、細かく切る。
2、上のキュウリと細かく砕いたニンニクとオリーブ油、塩、砕いたクルミを混ぜる。冷蔵庫で2時間寝かす
3、ヨーグルトと水を良く混ぜて、サーブ直前に2の材料と混ぜる。
4、ディルを上に散らして出す。夏場は良く冷やすと良い。
Bulgalia cooking book 参照。