西欧から東欧ハンガリーにやってくると空気が変わった。東欧独特の暗さ、天気も曇り空が多く、町全体に寂しげな、そして落ち着いた雰囲気が漂う。人々も落ち着いていて、対応も丁寧である。悪い風に言えば少し暗い。
物価も西欧諸国に比べると半分以下になる。美術館や博物館の入場料も2,3ユーロ。10ユーロくらいでオペラ座でコンサートやオペラが見れるもの嬉しい。ハンガリーでは毎晩劇場に出かけていた。国立劇場のチケットが手に入らなくても、街のあちこちに劇場があり、毎晩様々なプログラムが行われる。
王宮の前にある。民俗学博物館。かつての宮殿を使った建物自体もすばらしいが、内部の展示もなかなか良い。ハンガリーの各地方の民族衣装や風習などが紹介されている。 農と食の展示もあり。農家でヨーグルトを作る道具や、小型のワイン絞り機、パンを作る板など。右は木や石で作られた小麦の粉砕機。日本の石臼と同じ。小麦やライ麦を挽いて食品を造り、ときには保存するということは、日本人が米を備蓄するのと同じように重要なことである。 |
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ハンガリーではシチューを良く食べる。パプリカを使ったグーヤッシュ(*1参照)が有名だが、家庭ではもっと簡単なシチューが作られているらしい。 左はアスパラガス入りホワイトシチュー。他に豆やコーン入り、茶色ももの各種あり。それとパン、またはチキンやコロッケなどの揚げ物(右写真)をつけて食べる。 シチューのクリーミーさにカリカリのコロッケが非常にマッチする。これにハンガリーワインがあれば充分。 |
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ブタペストには各地に温泉がある。左写真は宮殿の中にある温泉。水着着用なので温水プールのようだが、薬草湯あり、サウナあり、露天風呂あり、マッサージありの総合健康センターのよう。泳いでる人もいれば、雑談している人もいる、温泉につかりながらチェスに熱中している人たちもいる。ここは一種の庶民のサロンなのである。中国の古い風呂屋も同じである。マッサージあり、中国将棋する人あり、中国茶を飲みながら雑談する人あり。日本でもこういう場所がもっと増えると良いと思う。 丘の上の王宮をドナウ川から見上げる。夜は川沿いがライトアップされて美しい。 |
食文化紹介
ハンガリー料理にはオーストリア、スロバキア、ルーマニアなど近隣諸国の影響がみられる。
*1、代表的な料理はグヤーシュgulyasで、牛肉、ジャガイモ、タマネギをパプリカで煮こんだシチューである(パプリカはトルコからつたわり、ハンガリー料理のベースとして欠かせない)。
ハラースレーhalaszle(コイやナマズなどのぶつ切りをパプリカで煮こんだスープ)も有名。だが、言ってしまえば山で囲まれた国では淡水魚しか食べる魚の選択肢がなかった。現在では刺身を食べさせる日本料理屋がいくつもできているが。
肉は豚肉が多いが、牛肉や鶏肉もこのまれる。付け合わせは、ヌードル、ジャガイモ、ダンプリングなど。キャベツの酢漬けのザウアークラウトがこのまれる。野菜や果物は年間を通じて豊富である。ほかに、シュトルーデル(果物やチーズなどをパイ生地でつつんで焼いたデザート)、パンケーキ、さまざまな種類のパンやペストリーも人気がある。ハンガリーは世界有数のワインの産地でもある。
Microsoft(R) Encarta(R) Encyclopedia 2002.引用