メキシコ世界遺産古都めぐり

 メキシコ国境越えツーソン→グアイマス港町→ロスモチス(チワワ鉄道乗車)→クレール渓谷(タラウマラ族居住地)→チワワ→サカテカス(世界文化遺産の街)→グアダハラ(メキシコ第二の町)→グアナフアト(世界文化遺産)→ケレタロ→モレリア→トルーカ→メキシコシティ→プエブラ(メキシコ料理発祥の街)→オアハカ(世界文化遺産)→タパチュラ(グアテマラ国境)
 メキシコに入り、物価が安くなり、スペイン語が通じるようにもなりかなり旅が楽になりました。何よりも料理が美味しくなった。やっぱりアメリカの食文化は移民料理があるにしろ薄っぺらい気がした。その点、メキシコ料理は4000種ともいわれるメニューを豊富なチレや野菜、肉類で作り出している。日本にはタコスぐらいしか知られていないのが残念。メキシコの伝統料理が残る街を訪ね歩きました。

 メキシコには各地に世界文化遺産に指定されている古都がある。かつてスペインが16世紀から作ったコロニアル調の街だ。教会や水道橋や市庁舎や石畳の町並みが残る。なぜ、そういった街は観光客を引き寄せるだけではなく、ギャラリーや雰囲気のいいバーやレストランが集まっている。公園では大道芸人やマリアッチが音楽を奏で、人々は自然に踊りだす。こういった街には文化という空気が充満している気がする。それは近代都市にお金を掛けて沢山の美術館や劇場を建てたからといって作り出されるのもではない。だから私はこういう小さな古都に魅了される。そしてつい長居してしまう。
 また、メキシコシティやオアハカからはアステカ時代の遺跡などが簡単に訪れることができる。
 アメリカより入りメキシコをグアテマラまで下るときに通った町や古都を食と共に紹介します。場所は自分で地図を見て確認ください。代表的な街ばかりです。

ノガレス
国境の町。アメリカからは比較的簡単に入ることができる。逆は難しい。多くの人々がアメリカに富を求めここを抜ける。時には非合法的に。
 旅の仲間とメキシコ到着の祝いをする。タコスとコロナビールとテキーラで乾杯。アメリカのファーストフードから一気に食事事情が豊かになる。物価も安い。
グアイマス
 港町、サンカルロスという綺麗なビーチがある。観光化も進んでおらず静か。メキシコ人の保養地として有名。これらの港町では海産物が豊富。メキシコ人はどちらかと言えばあまり魚を食べないのでバラエティーが少なく感じる。右は魚の野菜ソース和え。
チワワ高原鉄道
 鉄道愛好家の間では有名らしい。渓谷を抜けていく鉄道だ。砂漠地帯から上っていき、高原や針葉樹林帯を抜けていく、その変化を見るのも楽しい。断崖絶壁の線路脇には脱線して落っこちている列車もあった。一等列車と二等列車があるがそんなには変わりは無い。値段は半分。この列車に乗るにはロスモチスかチワワの町に一泊しなくてはならない。その街にはたいして観光する所は無い。メヌードというモツのスープがここらでは有名。
クレエール
チワワ高原鉄道のもっとも綺麗な場所にある町。タラウマラ族という先住民族が多く住んでいる。彼らは洞窟や岩地に家を作って、トウモロコシを栽培して生活している。また彼らには長時間ボールを転がしながら数日走り続ける祭りがある。世界中で、最も長く走り続ける人と言われている。
 彼らの食はトウモロコシのトルティージャを主食とした質素なものだ。トウモロコシから酒をつくっている人もいるという。残念ながらここでそれを見ることができなかったが、後日グアダハラの市場で発見した。
サカテカス
世界文化遺産にもなっている街だ。坂の町に教会や水道橋、市場などが凝縮されている。ケーブルカーで丘の上に上がって撮った写真。ここらの教会は褐色の岩で作られており、光に反射して美しく光るのでピンク色の街と言われることもある。
ここらの名物料理にビリアがある。骨回りの肉を茹でた後に細切れにしてコンソメとトマトスープをかけて食べる。これは市場の食堂で食べたもの150円程度。
ハリスコ州テキーラ村
ご存知、テキーラの名前で知られる蒸留酒の産地。街を囲むように(マゲイ)リュウゼツランが栽培されていいる風景は圧巻だ。街には資料館や見学できる工場がある。もちろん試飲もできる。かつてアステカ時代より人々はマゲイの汁を吸い取って壷につめて自然発酵させてプルケというどぶろく酒を作って祭りなどに飲んでいた。スペイン植民地時代に蒸留技術が導入されてテキーラとなった。ちなみにこのブランド名はこの周辺の5州しか使えない。一般名はメスカル。
グアダハラ
第2の都市。大きいが歴史地区は中心部に集まっている。ここの公園の中心にはコンサート場があり、毎晩演奏やダンスが行われている。この教会は植民地時代国家予算の3分の1をつぎ込んで建てられた。
市場で見つけたメスカルのどぶろく酒。くさみや酸味は少なく、うまく蒸留されていた。アイスクリームなどを入れて飲むらしい。アルコール分は殆ど無く、酒というより乳酸飲料、健康食品として食しているようだ。もちろん田舎の方では酒として飲まれている。
グアナフアト
コロニアル調では最も凝縮されている街。3km四方ほどの町に10数個の教会と5つの劇場、大学などがが集まっている。道端や教会では毎晩コンサートが行われている。街を歩いているだけで楽しい。歩道ぞいに机が出てカフェを楽しめるレストランも多い。
右の写真は朝食、フリホーレス豆のペーストがかかったメキシコ風の目玉焼き。毎日ここで人が通るのを見ながらコーヒーを飲むのが日課だった。
ケレタロ
ここの世界文化遺産に指定されている街。教会の前にはアステカの踊りの像があった。侵略者の宗教キリスト教を受け入れつつもその目前で旧宗教や文化を尊敬できるのは文化が熟成している証拠だ。
写真右、11月1日死者の日(お盆)が近くなると骸骨の砂糖菓子やチョコレートが売られる。それに名前をつけて飾る。メキシコはアステカの時代より骸骨を大切なものとしてきた。様々な美術品に見ることができる。
モーレリア
地方都市、世界文化遺産。ここには多くの博物館や美術館がある。中央の歴史地区を歩けば角ごとにあると言ってもいい。展示品もいいし、入場料もほぼタダに近いか安いのがいい。
ここの市場で、メキシコのカルド(シチュー)を食べた。他の中米諸国には無い辛いトウガラシを使う。特に市場の中の料理は庶民の味なので辛め。
市場では一食ジュース付で250円ほどで食べることができる。メキシコの市場は比較的清潔で安心だ。
パツクアロ
メキシコで最も古い町のひとつ。まるでグアテマラに来たような錯覚を覚える。右の教会も16世紀につくられたもの。街全体がこのような古いたたずまいを残している。ここから湖の島に船が出ている。そこでは小魚のフライが名物。塩味やトウガラシ味があり、ビールのつまみにはいい。他に魚のフィレを卵でつつんで揚げた料理もある。
メキシコシティ
ここのメルセー市場はメキシコ最大規模を誇る。山積みになったトウガラシ(チレ)の多さでは世界一と言ってもいいだろう。ここでは10種類以上のもチレを使う。甘いのや苦いの辛いものなどがある。
メキシコシティはかつてアステカ文化の遺跡を壊してその上に作られた。一部が発掘されて博物館となっている。いけにえの石像もある。今でのここの公園では古来の踊りと祈りが行われている。
プエブラ
メキシコ料理の発祥の地と言われるほど食の文化が豊か。あちこちに高級なレストランから庶民的な店まで並ぶ。ここの名物はチレポブラーノ。数種類のチレや香辛料などを使ってそのソースを作る市場でできあいのものを買うこともできる。まるで日本の味噌屋のようにペーストを量り売りで買う。しかし、各レストランが競って作ったソースは絶品。右はモレネグロ(黒)、ベルデ(緑)、コロラード(色付)、3種類を肉を巻いたトルティージャにかけたもの。左はここの名物、タラベラ焼。
オアハカ
オアハカはチーズの産地として有名。チーズのスープや割けるチーズを載せた揚げたタコスなど。またここはメキシコの中では先住民が多く残る。左は名産の美しい工芸品。様々な動物と独特の色使いがある。
右は市場の中のバッタ料理売り場。揚げて調味がしてある。少し酸味があるものもあった。量り売りで買っていく。ビールのつまみとしての嗜好品か、蛋白源としての食料か?