2006年夏モンゴル 草原と馬と牧民と


さあ熱い日本を脱出、草原へ向けて 準備編

モンゴル建国800周年記念、ビザ無し、夏のモンゴルと草原にひかれました。
実は何も準備してなかったんですよね。モンゴルは二回目だし、行ったら何とかなるか、しか考えていなかった。
あんなハードな馬の旅とアウトドアライフをすごすとは思いもしていなかった。
ちなみに北京ストップオーバー広島発チケット11万円くらいでした。ガソリン税とか他TAX入って1.5万円、現地滞在費や土産代で11万、合計22万円くらい。8日間の旅ですから、こんなもんですかね。贅沢でもないし、貧乏旅でもないし。


モンゴル到着 ウランバートルの発展、草原への準備

ウランバートルに到着、
まず馬乳酒を一杯飲んでから、いきつけのベーカリー”SAKURA”へ。外国系レストランの並ぶ国立デパート前のツエレンドルジ通りにある。店長は元青年海外協力隊、製菓を教えていて、モンゴル美人と結婚しこの地に残った。日本人の繊細な味付けと小ぶりのケーキやパンが人気。チーズケーキやアンパン、カレーパンなど日本の定番がある。店はカフェレストランをやっており、日本人駐在員や協力隊員の憩いの場になっている。
着いたその日にウランバートルの旅行社を訪ね回り3件目でツアーを組んでくれるところを見つけた。夏なのでよかったが、秋になると観光客も減り、非常に難しくなる。個人では日本にいるときに旅行者を通じてやっておくのが無難。

右、出発前、道の端にあるオボ(聖なる地点)を3回周り、石を投げて旅の安全を祈る。


いざ草原へ、ひたすら馬の旅。テレルジ国立公園にて

ウランバートルから比較的近く、アクセスしやすいテレルジ国立公園に向かう。ツーリストゲルがいくつかある。外国人だけではなく、モンゴル人やモンゴル人学生が旅行にくる。


橋をこえるとそこは国立公園だった。

国立公園入園料も支払う

右;ツーリストキャンプのゲル郡、恐竜がなぜかいる。ジェラシックパーク?もちろんニセモノ。草原には恐竜は出ないが、ヤギ、羊、ラクダ、馬、水牛、いろんな家畜が出てくる。
ベースキャンプとなるゲルに到着。実際に一家が住んでいる。スーティーチャイと共に簡単な料理を作ってくれる。
基本的に全てがシンプルな料理だ。充分に使える水もなければ食材も限られているので当然だろう。ただ乳製品の数は非常に多い。
 馬を選んでもらったら、いざ、草原に出発。初心者だろうが、乗り方のレクチャーも何もない、乗って慣れろというかなりスパルタ式。ガイドの遊牧民には英語があまり通じない。通訳謙ガイドもついて、外国人3人、牧民2名と通訳ガイド1人という大きなキャラバンになった。
 
 羊が道をふさぐ。他にはアブは馬を刺すし、ハエの大群に襲われるし、馬から下りると蟻塚だらけだし、日ざしは強いし。モンゴルの自然の厳しさを思い知らされた。

右は現地人のジープが河を渡ろうとして水没しているところ。見守るしかない。幸い一時間ほどで脱出できたらしい。
左;一日馬で草原を旅してキャンプ地に到着、馬も疲れたが、人間も疲れた、馬にゆられていたせいで、腰ががたがたになる。蔵をはずされた馬はあたりの草を食べながら自由に散歩する。放任型飼育ですね。

荷物から食料を取り出す。きつい日差しにやられ、チョコや飴はどろどろに溶けていた。
 食事の準備、ナイフ一本で草原の中で料理する。火は薪でつける。水は河からくんでくる。でも河には馬の糞がうかんでる、、。料理にはハエが飛び込んでくる。食べているときも口の中にハエが飛び込んでくる。半日こんなワイルドな生活を続けていると人間なれてくるものだ。
 ちなみにトイレは無い、というよりあたり一面どこでもトイレになる。キャンプからちょっと離れた茂みが良いポイント。


ゲルの人々、国立公園テレルジ


草原の早朝はかなり冷える。服を2重に着てスリーピングバックにもぐって眠る。外ならまず凍死しているだろう。8月とは思えない。

自由に夜をすごした馬達に馬具をつけるために集める。しかしこれが苦労する。馬達はなかなかいうことを聞いてくれない。牧民達とチームを組んで馬をおいたてる。
 朝ごはんは硬めのお菓子パンにスーティーチャイ。草原ではこの硬いパンが一般的。街では最近ではヨーロッパ風の柔らかいパンが好まれるらしい。お茶の原料は伝統的には中国からレンガ茶というレンガのように固めた保存用のお茶を輸入していた。最近ではスリランカやロシアから入ってくる。少しティーバックでは味気ない。
すれ違った、観光客の牛車。楽そうだがかなりのろい。あれだけあこがれていた草原だけど、こう一日中同じ景色を見ているとさすがにあきてくる。ぜいたくな話だが。

一緒に旅した牧民のおにいちゃん。今にもモンゴル相撲をしそうな体系。裾の長いデールという民族衣装は、どこでも草原に横になって寝ることができる。
ブーツは草の中を進み、馬に乗るときに必要。カーボーイハットは雨風、直射日光をさけてくれる。ファッションではなくて、それぞれに意味があるのだ。
 左、たまにはこのように頭をあらう。水が貴重な草原では、風呂やシャワーというものはない。だいたい乾燥しているのでべたつかない。

 夕食は、大好物の羊のスープにごはんを入れた、羊おじや。このスープが最高に美味しい。基本的に料理に使う肉は羊が多い。この野性味のあふれる独特の香りと味がモンゴル料理の特徴。日本で食べる羊肉ほど臭い臭いはしない。冷凍保存方法と食べている草の違いだろう。
草原に日が暮れる。
夜には満点の星空が。
こんなに星が綺麗に見えるところも珍しい。360度草原で、人がまばらにしか住んでいないからだ。

日本とは正反対の、この広い草原にやってくると心が広くなる。そしてゆったりした時の流れを感じながら牧民達とのんびりときをすごすのだ。