SLOVAKIA スロバキア

首都ブラチスラバ

  ブタペスト、ブカレスト、ブラチスラバと言われ、どれがどの国の首都か全て答えられたら、あなたは東欧通でしょう。私は行ったのにもかかわらず、時々間違える。スロバキア人の前で、スロバキアはすでに独立したのにチェコスロバキアと間違えて言ってしまったこともある。両国を訪れてチェコとスロバキアは国民も街も使っている言語も大きくことなっていることがわかった。
 スロバキアは東の国境をウクライナに接し、80%がスラブ系民族で、使っている言葉もロシア語に少し似ている。首都ブラチスラバはオーストリア・ウィーンからたったの50分で着く往復2500円足らず。それでも国境を越えると雰囲気ががらっと変わる。列車から見える風景は自然と深い森、そしてそこに独立して立っているかつての社会主義国の象徴である公共住宅のビル郡と工場。
 中世以来ハンガリーの影響下に発達し、ことに1541〜1784年にはハプスブルク家が支配するハンガリー王国の首都であった。チェコスロバキアより1993年独立、ブラチスラバを首都とする。、スロバキアは文化的にも政治的にもハンガリーやチェコ、オーストリアなど多くの大国の影響を受けていると言える。
 ブラチスラバは小さな首都である。中心街の歴史的地区は1時間もあれば歩いて回れる。観光客も少ない。そのためか、大きな観光都市に比べ人々が素朴で非常に親切である。スロバキアを訪れた外国人の多くはこの人の親切さが良かったと言う。西欧観光に疲れたらここに来れば良い。宮殿や城は隣国のウィーンやプラハに比べると見劣りがするが、ワイン博物館はお勧めである。

 スロバキアの中央公園、日本国旗が目立つ日本大使館が目の前にある。こんなにベストロケーションにある日本大使館は他の国にはないだろう。ついでに日本語での観光案内ブースも出してくれるといいのだが。ブカレスト観光案内所はこの裏、親切に色々教えてくれる。

右、スロバキア風グーラッシュとクヌーデル。プラハで似た料理を食べたことがある。サワークラフトと牛の角切り肉の煮込み、酸味がある。蒸パンのようなクヌーデルと共に食べる。パプリカを使ったハンガリー名物のグーラッシュシチューとはかなり異なる。
 中央広場に面したワイン博物館。スロバキアの他の博物館と同じく、小さいが、展示が非常にいい。ローマ時代からのワイン製造の歴史、葡萄収穫の伝統的衣装(左写真)、葡萄の栽培土地の話、苗木、葡萄の病気や寄生虫フィロキセラの説明など、農業面について詳しく伸べられている。地下にはかつてのワインセラーと絞り機や樽がある。私が訪れたときは観光客は誰もいなかったが、館員が案内してくれ、殆ど喋れない英語でなんとかがんばって説明してくれようと努力してくれた。英語が通じればいろいろ質問をしたのだが。
 入場料100円で、しかも最後に隣りのバーで一杯無料でワインが飲める。これで採算があうのだろうか?他の博物館の入場料も150円くらいであった。隣りのウィーンではその10倍。物価の違いがここまであるとは。
 ウィーンと同じく、ここもカフェ文化である。昼間も夜も人々はカフェに集まりコーヒーを飲みながら思い思いの時間を過ごす。
 バス停の前のカフェで食べたスロバキアの名物らしい、カラメル付のシュークリーム。中のクリームにも少しカラメルが入っている。美味しいのだが、上部の皮が硬すぎてフォーク切ろうとすると中のクリームがはみ出してくる。
 右、ブラチスラバのレストラン街、カフェもレストランもバーもある。伝統的な料理と音楽が夜にサーブされる店もある。カフェにしろ、料理にしろ物価が安いので安心して楽しめる。味もサービスも悪くはない。へたな観光客でごったがえしているウィーンのカフェよりゆっくりできるし店員も親切。英語は通じないが。